北ノ俣の分岐を少し入れば、もうそこは何かしら別世界の雰囲気。岩稜を歩くのとは違って、流れる時間さえもゆったりしているようだ
 豊かな植生帯の中を歩く至福の感覚は格別だ。最近までのアクセスの悪さとコースの長さ故に敬遠されてきたが、林道の開通と飛越新道の開設でその欠点は大幅に改善され、改めてその良さが浮かび上がってきた



 

 

 




 圧迫感のない穏やかな山容をルートが通る。少し長いが早い目に小屋を出れば問題ない。せっかくの休日なら先へ先へと急がずメリハリをつけて歩く。のんびりするところはのんびり、歩くときはしゃきっと。ここでのんびりしたいところはやはり黒部五郎岳のカール。山の懐に抱かれながら、雪解け水の流れる沢に涼を求めたり、散在する巨岩を一つ一つ観察したり、稜線に渦巻き始めたガスを眺めたり、アッという間に時は過ぎてゆく。心ゆくまで楽しめれば小舎への道も短いが、カールまでに無理があると目を向ける余裕もなく、小舎までは遠い。
 残雪の多いときはカールのルートや三俣山荘へのトラバースルートの小舎側取りつき付近が雪壁となって危険、稜線ルートを使う
 人気のコースといっても9月に入れば、人は少ない。思い切り黒部五郎岳を楽しみたい方には、秋がお勧めだ。年により出来、不出来はあるが、紅葉時期のカールや五郎乗越は格別である



 

 

 


 

 

 

 大山地域管内ではないが奥黒部への入下山路として重要な役割を果たしており、今後はより重要性を増すだろう。下山ルートとして利用されることが多かったが、源流への入山路としても利用価値は高い。折立に較べて距離は長くなるが途上に二つの山小屋があり、時刻や体力にあわせて選べるのはありがたい。稜線に出ても隣の山小屋が比較的近く、ルートも同じ所へ行くのに複数とれるところがあり、それぞれ特徴的で自由度を高めている。