高瀬ダムまでタクシーで入れるようになって、苦痛でしかなかったブナ立尾根の登りが少しは楽になった。足元を見るだけの登りから解放され、樹林帯の木々に目をやれるようになった。また、下山の時のあの虚しかった舗装道路歩きがなくなると思えば、気が楽である。そのおかげで、南沢岳まで足を延ばす余裕ができる。烏帽子四十八池の心なごむ景色や南沢岳の砂礫に映えるコマクサを心ゆくまで楽しめる
 野口五郎岳は荒天時には風の強い所だ。そんな時はテントを張らない
 竹村新道の南真砂岳付近はザイルや針金のトラバース、桟道がある。慎重に辿ろう。後はいい道だ
 三ツ岳付近ではサルに出会うことがある。人間からの余計な手出しはしない方がいい。



 

 

 




 このブロックにある登山ルートの自然環境は変化に大変富んで いる。落葉広葉樹林帯、混交樹林帯、針葉樹林帯、ササ原、草原、ハイマツ帯、岩屑帯、高層湿原源流帯の沢筋ゴルジュ等を通っている。
 それぞれに目を向けて歩けば、今までとは違った山の歩き方が出来るようになる。百名山もいいだろう。でも、せっかくこの豊かな自然に満ちた山域を歩くのなら足元を見るだけで通り過ぎるのはいかにも惜しい気がする。例えば、稜線の小屋でなく薬師沢小屋で泊まってみる。谷底で眺めが悪いし、沢音がうるさくて眠れないと考えないで、じっと身をひそめて溪の中で原始から続く沢音を聞く。何故かしら心が落ち着き、そこから新たな世界が拡がるかも知れない。
 でも大雨が降り、沢が増水すれば様相は一変し、通行は大変危険になる。その見張り番が薬師沢小屋の小屋番で無線を通じ、太郎平小屋に知らされ登山者の安全の確保が計られる。大雨の時は必ず山小屋で沢の状況の確認を