標高約1000mの美女平には、深閑とした森が広がっています。この辺りは自然観察教育林に指定され、ターミナルの喧騒を離れ遊歩道を歩けば、樹齢200年を経たブナの巨木の生い茂る緑豊かな森。四季おりおりに、それは表情を変えて迎えてくれます。新緑にはオオルリ、コルリ、キビタキやゴジューカラなどの野鳥が歌い、谷間にはエンレイソウ、サンカヨウ、イワウチワなどがひっそりと咲いています。初夏にはエゾハルゼミが鳴き、湿った地表からギンリョウソウが物憂げに、白く透き通った頭を持ち上げています。ブナの森の秋は紅葉の賑やかなステージ。ヤマブドウ、ウリハダカエデ、ムシカリは赤く、コシアブラ、マルバマンサクは黄に、トチの実は音を立てて落下し、踏みしめる落葉の感触は秋の深まりを感じされてくれます。
 さらに見逃せないのは、県木に指定されている立山杉。風雪に耐えて成育した樹齢約1000年と言われる巨樹は、一本として同じ姿のものはありません。伝説を秘めた美女杉、秩父宮殿下が訪れた刈安谷の殿下杉、かつての旧道にある上の小平の鍋冠杉など、名前を持つ杉を訪ねて歩くのもトレッキングならではの楽しみ方。また、滝見台や大観台から眺める称名滝も素晴らしいものです。